話はだいぶ飛びまして、おおよそ35年ほど前に遡ります。
1986年、私は大学を卒業し「日本タイムシェア」という、当時でいうソフトハウスに入社しました。
その会社は独立系(メーカーや通信会社、銀行証券会社の系列会社ではない、)企業の中で、
5本の指に入る会社でした。
同期入社は200人、入社当時全社で1,500人。その後も大量採用が続き、最大で2,000人という規模の会社でした。
当時はバブルの頂点の時代、金融証券・不動産・建設・コンピュータメーカーなどの業種が人気企業で、
その次にソフトハウスが多くの新卒採用をしていました。
私が入社した会社は、いまさら私が自慢するのもなんなのですが、教育期間を6ヶ月も10ヶ月も設定している会社で、当時、クラウドセンターを、浜名湖のほとりの国立公園内に年商(年間売上)分の金額をかけて建設するような最先端を行くソフトウェア企業でした。
また今でいうISO9001(QMS)やPMBOK(PMS)などようなマネジメントシステムを独自で構築し品質管理を重視する素晴らしい会社でありました。
福岡から上京した私は、4月から6月までの3ヶ月、新入社員全員での技術研修を受けました。
そして私を含む10名が、7月から9月まで3ヶ月の間、「営業部」にて現場研修、待っていたのは、新規開拓の飛び込みセールスの研修の日々でした。他の190名はシステム開発現場に配属され、エンジニアの卵としてクリエイティブな仕事に励んでいる中、私たちは毎日飛び込みして、「名刺だけでも下さい」と、都内を彷徨い歩きました。
そして配属された部署が、こちらは新規開拓専門の飛び込みセールス部隊。その名も「市場開拓部」。
その年に新設された部署で、部員が上記新人10名のみの部署。ここでさらに10月から翌年1月まで、飛び込みセールスをしました。
成果の出ない状況で上司には叱咤激励される毎日。1年を待たずして退職する仲間も数名、そんな新入社員の頃でした。
そんな中突然、福岡支店への配属が決まり気持ちを新たに出社しましたが、ここでの業務もまた飛び込みセールス。
日本中がバブルに踊る中、私はひたすらぼやきながら、3年ほど飛び込みセールス。ここでも成果の出ない状況で上司には叱咤激励される毎日。愚痴をこぼしながら、自分を励ましながらの毎日でした。
こうした売れない飛び込みセールス体験の中でずっと感じていたのが、
『セールスマンが「買ってください」と言わなくとも、売れるには?』
でした。
何しろ全く売れないものですから、これをずっと考え続けていました。
何かに頼りたかったのだろうと思いますが、いま思えば、マーケティングの勉強会やスクールに行って学んでおけばもっと早くに答えが出ていたのかもしれません。あるいは、もしかしたら答えは出ていなかったかもしれません。しかしながらこうした「モノやコト、サービスを売る」といったことの学びは必要だと強く感じています。
そして自分で答えの出ないものを探して塞ぎ込むよりは、過去の事例や他者から学ぶことが良い方法だと思います。
さて、「セールスマンが「買ってください」と言わなくとも、売れるには?」
この大命題を支えるのが、以下の5点ではないかと考えています。
企業、組織全体における、
1.コミュニケーション能力
2.マーケティング能力
3.商品サービス開発力
4.サービスデスク機能
そして、
5.目的と目標の設定と組織的行動の継続的な積み重ね
です。
コミュニケーション能力を使い、お客様や市場のニーズを掴み取りサービスを企画する、マーケティング機能と商品サービス開発力。
また、サービスデスク機能によってお客様の満足を引き上げる。そして、さまざまなチャネルを作り上げる行動。
これらは、現在のNEXTシステムズにおいて私の様々な活動の動機となっています。そして、この中でも肝心なのが、「目的と目標の設定と組織的行動」で、全員がベクトルを合わせた行動をし、継続的に(「継続は力なり」。。。)、辛抱強く積み重ねてゆくことがとても重要と、あらためて感じています。
今回はここまでです、今回もお目通し頂きありがとうございました。
次回は、会社を起業してから現在までと継続している取り組みについてお届けしたいと思います。