前回から引き続き「心理学」をテーマに取り扱っていきます。
今回の記事では前回記事で紹介した心理学の学派とその概要、そして、それぞれの学派における代表的な心理学者について説明していきたいと思います。
ゲシュタルト心理学
ゲシュタルトは「まとまり」「形態」といった意味を持っており、物事を一部として見るのではなく全体として捉える言葉です。
例えるなら、一つ一つの音符・メロディーが集まることで曲として知覚できるといったものや、アニメや映画など静止画を連ねることで動いているように見せるといったものです。
前回お話ししたヴント教授の要素主義に反論する形で、知覚は対象を要素ではなく全体として捉える性質があるとして、
チェコ出身のマックス・ヴェルトハイマー(1880年〜1943年)を中心に、「ゲシュタルト心理学」が提唱されました。
精神分析学
精神科医ジークムント・フロイト(1856年〜1939年)という名前は聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。
人間は「意識」・・・自我を認識している、「無意識」・・・自我では把握できない、ということを発見したフロイトは、
人間の無意識に抑圧された感情が原因となり、精神疾患をおこすとして「精神分析学」の理論を体系化しました。
行動主義心理学
アメリカの心理学者ジョン・ワトソン(1878年〜1958年)は、ヴント教授の「内観法」に反論する形で、
人や動物の「心」ではなく、「行動」に着目した「行動主義心理学」を提唱しました。
ワトソンは、観察できる行動のみを研究対象とし、「古典的条件づけ」、「オペラント条件づけ」といった、実験からS-R理論を定義していきました。
⓵古典的条件づけ(受動的)
例:人は梅干しを食べ酸っぱさを覚えると、以降、梅干しを見るだけで酸っぱさを感じる。
⓶オペラント条件づけ(能動的)
例:スキナー箱(レバーを下げると餌が出る)にネズミを入れると、ネズミはレバーを下げることで報酬を得られることを学習する。
あとがき
1950年に入ると「行動主義心理学」で提唱されていた「行動」へフォーカスする心理学から、改めて「心」に着目する、「認知心理学」が登場してきました。
次回は現代心理学の主流となる「認知心理学」についてご紹介していきたいと思います。
それでは皆様、ご覧いただきありがとうございました。
参考文献
人と社会の本質を掴む心理学 内藤誼人(著)
https://d21.co.jp/book/detail/978-4-7993-2786-9
心理学 新版 (New Liberal Arts Selection)無藤隆 (著), 森敏昭 (著), 遠藤由美 (著)
https://honto.jp/netstore/pd-book_28916345.html